
はじめに
電気回路の基本として、複数の抵抗を直列や並列につなぐ方法があります。教科書では抵抗の値がすべて同じで扱われることが多いですが、現実の回路では抵抗値が異なることが一般的です。この記事では、4つの異なる抵抗を使ったさまざまな接続パターンについて、電圧源や電流源を用いたときの電流や電圧の求め方を丁寧に解説します。
今回使う設定
抵抗値は以下のように異なる4つを使用します。
- R1 = 2Ω
- R2 = 4Ω
- R3 = 6Ω
- R4 = 12Ω
この4つの抵抗を使い、以下の2つのケースを考えます:
- 電圧源を接続する:V = 12V
- 電流源を流す:I = 3A
パターン1:すべて直列接続
構成図:R1 ― R2 ― R3 ― R4(一直線に並ぶ)
- 等価抵抗:2 + 4 + 6 + 12 = 24Ω
- 電圧12Vを加えたときの電流:I = 12V ÷ 24Ω = 0.5A
- 各抵抗の電圧:
- R1:0.5A × 2Ω = 1V
- R2:0.5A × 4Ω = 2V
- R3:0.5A × 6Ω = 3V
- R4:0.5A × 12Ω = 6V
電流を3Aに固定した場合の全体電圧は:
- V = 3A × 24Ω = 72V
- 各抵抗の電圧:
- R1:6V、R2:12V、R3:18V、R4:36V
パターン2:すべて並列接続
構成図:4本の抵抗が上下に並び、それぞれが電源につながっている形
- 等価抵抗:
- 1/R = 1/2 + 1/4 + 1/6 + 1/12 = 12/12 → 1Ω
- 電圧12Vを加えたときの全体電流:I = 12V ÷ 1Ω = 12A
- 各抵抗の電流(電圧は全て12V):
- R1:6A、R2:3A、R3:2A、R4:1A
電流を3Aに固定したときの電圧は:
- V = 3A × 1Ω = 3V
- 各抵抗の電流:
- R1:1.5A、R2:0.75A、R3:0.5A、R4:0.25A
パターン3:R1+R2とR3+R4を直列接続して、それらを並列に接続
構成図:
ブロックA(R1 + R2 = 6Ω)と
ブロックB(R3 + R4 = 18Ω)を並列に
- 並列合成抵抗:
- 1/R = 1/6 + 1/18 = 4/18 → R = 4.5Ω
- 電圧12Vを加えたときの電流:12V ÷ 4.5Ω ≈ 2.67A
- 各ブロックの電流:
- A:2A → R1 = 4V、R2 = 8V
- B:0.67A → R3 ≈ 4V、R4 ≈ 8V
パターン4:R1||R2とR3||R4を直列に接続
構成図:
ブロックA(R1とR2の並列)と
ブロックB(R3とR4の並列)を直列に
- ブロックA:1/(1/2 + 1/4) = 1.33Ω
- ブロックB:1/(1/6 + 1/12) = 4Ω
- 全体の抵抗:1.33 + 4 = 5.33Ω
- 電圧12Vを加えたときの電流:12V ÷ 5.33Ω ≈ 2.25A
- ブロックA(電圧3V):
- R1:1.5A、R2:0.75A
- ブロックB(電圧9V):
- R3:1.5A、R4:0.75A
パターン5:R1+R2+R3とR4を並列に接続
構成図:
ブロックA(R1 + R2 + R3 = 12Ω)と
ブロックB(R4 = 12Ω)を並列に
- 並列合成抵抗:1/12 + 1/12 = 2/12 → R = 6Ω
- 電圧12Vを加えたときの電流:12V ÷ 6Ω = 2A
- 各ブロックに1Aずつ流れる:
- ブロックA:
- R1:2V、R2:4V、R3:6V
- ブロックB(R4):12V
- ブロックA:
まとめ表(異なる抵抗値を用いた場合)
パターン | 等価抵抗 | 電圧12V時の電流 | 各抵抗の電圧例 |
---|---|---|---|
すべて直列 | 24Ω | 0.5A | R1:1V、R2:2V、R3:3V、R4:6V |
すべて並列 | 1Ω | 12A | 各抵抗12V(電流は異なる) |
(R1+R2) | (R3+R4) | 4.5Ω | |
(R1 | R2)+(R3 | ||
(R1+R2+R3) | R4 | 6Ω |
おわりに
抵抗の値が異なると、同じ接続方法でも電圧や電流の分布は大きく変わります。直列では電流が等しく、並列では電圧が等しいという基本原則を押さえれば、複雑な回路も理解できるようになります。
※本ページは、AIの活用や研究に関連する原理・機器・デバイスについて学ぶために、個人的に整理・記述しているものです。内容には誤りや見落としが含まれている可能性もありますので、もしお気づきの点やご助言等ございましたら、ご連絡いただけますと幸いです。